Q1.今回の日本公演では、前半Beethoven、後半がLisztという構成ですね。どうしてBeethovenとLisztを選んだのですか?
1)There is a certain spiritual affinity ( or similarity) between Beethoven
and Liszt, observed even by Beethoven's friend, Anton Schindler. I am speaking
particularly of their inclination for musical( formal ) adventure.
ベートーヴェンとリストの間には、確かな精神的親近感(類似性)があります。そして、それはベートーヴェンの友人、アントン・シンドラーによってなお研究されました。私は、特に両者の音楽的(楽曲形式上の)創意について、言おうとしているのです。
Q2.BeethovenとLisztをソナタで繋いでいるなぁ、という一貫性を感じます。それぞれのソナタについてのお考えをお聞かせ下さい。
2)Unfortunately, this is impossible. It would take a book for each sonata,
in order to be described properly. The only thing that I can say is: each
sonata represents a certain state of mind, or specific idea, which is developed
throughout the piece.
不幸にも、それは不可能です。正しく記述されるためには、それぞれのソナタに対して1冊の本が必要となります。それぞれのソナタは、ある種の精神状態や特定の考えを表現しています。そしてそれは作品を通して展開されていきます。私に言えるのはそれだけです。
Q3.最近、Lisztについて、何か新たな発見はありましたか?
3)The piece "Pensee des morts", which I knew for many years,
but recently I found its true meaning.
「死の舞踏」は長年知っていた作品ですが、しかし、その本当の意味に最近気がつきました。
Q4.三鷹市では、オール・Chopin・プログラムですね。Chopinの曲を弾く時、いつも何をお感じになられますか?
4)To play works by Chopin is always the greatest privilege, joy and a challenge.
Now I understand what his pupils meant when they wrote that he never played
any piece the same way twice. It was always different.This is logical,
because one feels differently about them every day, and only by force I
can play them exactly the same way. Normally , there is a variation of
mood, tempo etc.
ショパンの作品の演奏には、いつも最大の特権、喜びとチャレンジがあります。それから、ショパンの生徒が、ショパンはどんな作品でも二度と同じように演奏する事は決してなかった、と書き残した意味を理解しています。これは論理です。なぜならば、人は毎日それらについて違って感じます。そして、努力によってのみ、作品を同じように正確に弾く事が出来るのです。正規に、ムードやテンポのバリエーションがありますから。
Q5.来日前にドイツでラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を演奏されますね。是非、行きたいものですが、日本にはヨーロッパから入られるのですか?
5)Yes, I'll play the Rachmaninov's Concerto no 2 in Magdeburg near Berlin,
on June 13& 14. You are welcome if you wish to attend. I will be coming
to Japan from Germany.
ええ、ベルリン近郊のマグデブルクで、6月13日と14日にラフマニノフの協奏曲第2番を演奏します。出席したかったら、どうぞ。日本にはドイツから入ります。