ショパン2001年8月号interviewより抜粋
♪ピアニストのやるべきこと
「みずからをなげうって、音楽を最高に生き生きとした美しい形で提供すること。音楽をあらゆる手段で広めること。そして3つめは、社会との関わりです。たとえば病院や孤児院を建てるためのチャリティコンサート・・・僕は画家たちと一緒にコンサートを開いて、そのお金で、ユーゴスラヴィアの人たちが眼科の外科手術を受けるための特殊なマイクロスコープを買う手助けができた。実は僕の親友も、この機械で目の手術を受けられたんです。人間がお互いに頼りあって生きる動物である以上、そうした社会的な役割も果たして、恩返しをしないとね」
♪ピアノについて
「ピアノは打楽器のようでもあり打楽器ではないようでもあり、正体が見えにくい。音量も小さい。あまりに簡単に扱える部分と難しすぎる部分ばかりで、なにをとっても<普通>の部分がない」
それでもピアノを選んだ理由は、
「幼すぎて、いろいろな欠陥を知らなかったもので(笑)。それでもピアノには、弾くたびに新しい可能性を感じます。そのことには、本当に感銘を受けていますからね」
[文]浜田吾愛
(株)ショパン発行 『ショパン2001年8月号』掲載記事より許可転載